小学生向けプログラミング学習教材

Ai.R-Cord(エーアイ アールコード)

開発事例

Ai.R-Cord(エーアイ アールコード)

拡張現実(AR)の技術を採用して、
ゲーム感覚で学べる
小学生向けプログラミング教材

日本は海外に比べて、IT化が遅れていると言われています。
日本のIT開発力強化のために、
2020年、小学校からプログラミング教育が義務化されました。
それに応えるかのように株式会社九州コーユーは
小学生向けプログラミング学習教材「 AI.R Cord 」を開発。
その開発コンセプトを取材しました。

Ai.R Cord とはどんなサービスですか?

小学生向けのプログラミング数材アプリです。

拡張現実(AR)の技術を採用して、ゲーム感覚で学べるのが特徴です。

パソコンやタブレットのカメラを、印刷された専用のAR認識マーカーにかざすと、端末の画面内に3次元の人や車のキャラクターが現れます。

このキャラクターが「進む」「曲がる」といった動作をアプリ上で指示し、スタート地点からゴールするなどの課題をクリアすることで、小学生たちが興味を持ってプログラムの基礎を学ぶことができます。

Ai.R-Cord

Ai.R-Cord の開発に取り組むきっかけはなんですか?

九州営業統括部のシステム部では、自治体向けや医療関連企業向けにシステム開発を行い、導入後の運営・保守などを行っていました。

昨今、本業務である印刷業務やプリント業務がペーパーレス化の波に押されて市場が縮小しています。さらに2020年以降はコロナ禍により加速している状況となっています。

そこで、開発力を生かした新たな商品開発に取り組むことにいたしました。

Ai.R-Cord はどのような課題を解決しますか?

日本はIT化が世界的に遅れていることが大きな課題となっています。

テクノロジーの進化の差が経済や産業に大きく影響する時代です。

文科省は小学校の段階からプログラム的思考方法を学ばせることが重要であるという指針を出し、2020年からプログラム教育が必修となりました。

長崎の小学校では先んじて、DCSのクラウド型対話AIエンジン「Hitomean」(ヒトミン)とソフトバンクロボティクスの小型二足歩行ロボット「NAO」(ナオ)を連携させて、実証実験がされたことがありました。

そこで、さまざまな課題が浮き彫りとなりました。

プログラミング用のロボットやブロックが高額であるために、1校で何台も導入することができません。当然すべての生徒が利用することが難しい状況です。

また、学生が触ることで、破損をしたり、紛失したりすることも大きな問題です。色々と試したり、触れてみることが学習です。それができないということになります。

実際のロボットだと学生が使用中に怪我をするリスクもあります。

安価なものは平面上、机上のものとなりますので、プログラムが中心となって、学生には難しかったり、興味が湧かなかったりします。

また、教師がこれらの授業を行う上で事前に学習する必要があり、それでなくても昨今は外国語授業など教育項目が増えており、これ以上の負荷をかけることができないという状況でした。

<課題>

  • プログラミング用ロボットやブロックは高額
  • プログラミング用ロボットやブロックは破損・紛失のリスク
  • 学生が怪我をするリスク
  • プログラミング中心だと難しく、興味がわかない
  • 教師の事前学習が大変

Ai.R-Cord 課題はどのように解決されますか?

ARという拡張型現実の技術を応用することで、これらの課題を解決できると考えました。

3D画像(立体画像)が画面を通して見ることができますので、現物のロボットやブロックを用意するような高額な費用が発生しませんし、いくら画面の中で動かしても、破損したり、紛失したりすることはありません。

現物を製造するのではありませんので、様々な教育用素材を登場させることができ、学生の興味を引くことができます。

教材内に学習スケジュールや使い方を準備しておくことができますので、教師があらかじめ準備する必要はありません。専門知識がなくても指導ができるのがこの製品の特徴です。

こうして、課題のほとんどが Ai.R-Cord で解消できました。

Ai.R-Cord の開発中に実際に子供たちに検証作業を協力してもらいましたか?

唐津市立打上小学校 など16校の小学校の模擬授業で、実際に使って頂きました。貴重なご意見を賜りまして、開発の参考にさせていただきました。

Ai.R-Cord はどの部分にAIを利用していますか?

キャラクターをスタート地点からゴール地点に誘導させる時に、最短距離を示すことができますが、そこにAIを使用しています。

Ai.R-Cord の今後の展開についてお聞かせください

今は小学生向けの「エーアイ アールコード」、フジテレビジョンと共同で学習塾向けのプログラミング教材アプリ「チャギントン プログラミング for school」も開発しました。

これは、鉄道アニメのキャラクターを使い、未就学の子供から学べる設計にしています。

今後は、中学校向けに少し、プログラミングのコード記述を含めた学習教材や Ai.R Cord のクラウド版を開発していきたいと考えています。