お家シネマで癒されましょう

第23夜「あの年のオススメ映画 2021」Side A

今宵は2021年を思い出してオススメ映画をご紹介します。

この年は、新型コロナウイルス感染症の流行による影響が継続。東京オリンピック・パラリンピックが開催され、日本選手が大活躍。「嵐」が活動休止、ジャニーズ事務所の新体制発表などが話題となり『劇場版 鬼滅の刃』が興行収入記録を塗り替えた年でした。

「唐人街探偵東京MISSION」探偵たちが東京で大騒動。

監督・脚本:チェン・スーチェン

〈Story〉
中国警察学校の学生チン・フォンと自称「探偵」叔父タン・レンは日本の探偵・野田 昊(のだ・ひろし)から事件解決の協力を依頼され東京に向かった。
タイからは、推理アプリ「CRIMASTER」ランキング9位の探偵ジャック・ジャーも来日する。
黒龍会の組長渡辺と、タイのマフィアの会長・スーチャーウェイは、ニューチャイナタウンの開発利権を巡り、東京の居水堂で対談を行っていた。
睡眠薬入りのお茶を飲んで気を失った渡辺が目を覚ますと、スーチャーウェイの死体があった。
渡辺は容疑者として逮捕されたが、冤罪解決を野田たちに依頼した。

唐人街探偵 東京MISSION

中国って旧正月・春節のシーズンにお金をかけたお祭り大作映画が公開されます。 「唐人街探偵」も景気のいい、コメディ色の強い映画。いろいろな要素が盛られていて、最初はミステリー。主人公が警察学校の学生で、頭のいいチン・フォン君とろくでなしだけどお調子者の叔父さんのタン・レンっていう探偵コンビが世界のいろんな中華街で起きた難事件を解決していくのが唐人街探偵。今回は東京が舞台なので東京Mission。

シリーズですか?

シリーズ3作目で最初に1作目と2作目のダイジェストが出てくる。あんまり知らなくてもかっこよくて楽しめる。 アジア映画ってよくあるんですけど、続編が日本に入ってきた後で過去作を公開する。3作目が中国で一番人気。万人向けお祭りエンタメ映画なので中国の興行収入がすごかった。日本でも映画の興行収入100億円超えたら大台だけど中国では前売りだけで150億円ぐらい行ったそうです。

アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)」を超えたという宣伝も見ました。(中国では111億円)

すごいですね。

1作目だけ日本で劇場公開してないですね。で、夕暮さんにBlu-rayを貸してもらった。3作目が日本で撮影されたんですね。

東京Missionなので日本人キャストが多くてヒロイン役が長澤まさみ。日本にいる主人公の知り合いから事件を一緒に解決しようと呼ばれた。その日本人が野田ひろし(妻夫木聡)。

好きな感じがします。

2作目はニューヨークが舞台で世界各国から探偵が集まってくる中に日本人もいる。世界の探偵たちが順位を競い合う「クライマスター」っていう探偵アプリがある。そこで順位を競い合っているライバルで、事件解決のために協力もする。

解決するほど、探偵ランキングが上がるので、みんなが1位を目指す。

ゲームっぽい。

謎の存在Qが探偵ランキング世界第1位です。誰も正体を知らない。実は今回の事件にも関わっている。 ヤクザが東京の中華街の利権を巡って抗争しているんです。ボス同士の対談の場があって、そこは池の真ん中の東屋、ボス2人だけで、入り口はお互いの部下たちが固めているので密室状態。そこで片方のボスが殺されてしまって、もう一方のボス(三浦友和)が容疑者になる。そのボスの証言ではお茶に睡眠薬が入っていて、寝ている間に相手が死んでいた。そこで身の潔白を晴らすために探偵を呼ぶ。

その事件を解決したらランキングが上がるからみんなが来るんですね。

ちゃんとしたミステリー?

ミステリーとしてもちゃんとしています。

本格的な推理物よりは、エンタメとして観た方がいい。

中国から見えている日本文化が面白くて、ハリウッド映画だったら忍者とか侍とか。この映画では東京の都会的なところを見せつつ、お相撲さんが出てきたり、剣道の剣士がいっぱい出てきたり。

舞妓さんも出てきますね。

銭湯に行ったらヤクザのボスがいて、そういうのが面白い。

ハリウッド映画に負けないヘンテコな日本って感じ。

韓国映画だとすぐヤクザが出てくる。

あれは北野武のせいなんじゃないかな。

影響はありそうですね。

めっちゃ表社会に出てきますもんね。

Qっていう謎の人が事件のキーマンになる人を拉致して、無事に返して欲しかったら、3つのミッションをこなせって言うんです。渋谷のスクランブル交差点を渡る人数を数えろとか。

なぜ。

それも話の要素の一つ。Qって何かも分かる。
また、妻夫木聡がおしゃれです。派手なスーツを着ていて、出てくるたびに衣装が違うし、ナルシストの金持ちでいい友達の役。
全体的にはコメディ映画。ボスの遺体を検分しないといけなくて、病院に忍び込むんです。そのときにジャック・ジャー(トニー・ジャー)も病院に来て鉢合わせしそうになる。マフィアも病院に死体を見に来る。警視正(浅野忠信)も検分しに来る。鉢合わせしないために遺体袋の中に隠れると中身が入れ違って、生きている人間の方をガラガラって出されたり。

サポさんお気に入りの部分はコメディ?

緩急がしっかりしている。最後は名探偵コナンみたいな感じです。

コメディとシリアス。

最後に犯人の動機が明かされる時に泣かせにくるんです

しっかりした動機があるということね。

中国と日本の間にあった過去のいざこざが一因にあった。

今回はソンソちゃんが出ています。宇宙少女っていうアイドルグループのメンバー。

アジア各国の人が出てきます。

染谷将太がちょい役ね。

長澤まさみはどういう役ですか?

殺されたボスの側近です。

タン・レンおじさんがめっちゃいい味出してそう。

三枚目役、喧嘩っ早くて、女の人に弱くて、調子のいいことをホイホイと嘘をつく自称探偵。

甥っ子に頼ってばっか。事件が起きたら手伝いに来させる。

いいキャラですね。

何かあったら「俺がおじさんだから」みたいな。

妻夫木聡が聖闘士星矢のコスプレをするシーンがあった。トニー・ジャーがちびまる子ちゃんでしたっけ。

日本はアニメ・コスプレってイメージもある。

東京でマリオカートも走った。(「ストリートカート」Akiba Kart L.L.P.)
日本も外国の映画にロケ地誘致を頑張っている。同時期には「G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ(2021)」があって、大阪の岸和田城とかでロケをした。へんな日本を脱却しようとしていると思いますよ。

唐人街探偵東京MISSION(2021)」の公開は日本ではまだコロナで自粛ブームの時だったんです。東京の都会的なところや活気のあるところもフィーチャーされていて最後はインド映画みたいに全員が街中で踊るので、観ていると元気になるんです。

思わぬラストですね。

渋谷のスクランブル交差点が道路封鎖の許可が下りなくて、原寸大のセットを作ったらしいんです。

TOHOシネマズとかのところは実際に踊っていませんでした?
コマ劇場前とか現地でしょうね。

現地ではセットの周りを囲っていますね。

グリーンバックでクロマキー撮影かな。

大々的なロケのわりには日本では当時話題にならなかった。 2作目のニューヨークの方でも踊っていましたよね。

そうそう、多分1作目も踊っているやろね。

Eくん

年間 120本以上を劇場で鑑賞する豪傑。「ジュラシック・ワールド」とポール・バーホーヘン監督「ロボコップ(1987)」で映画に目覚める。期待の若者。

サポさん

「ボヘミアン・ラプソディ」は10回以上鑑賞。そして、「ドラゴン×マッハ!」もお気に入り。主に洋画とアジアアクション映画に照準を合わせて、今日もシネマを巡る。

キネ娘さん

卒業論文のために映画の観客について研究したことも。ハートフルな作品からホラーまで守備範囲が広い。グレーテスト・シネマ・ウーマンである。

検分役

映画と映画音楽マニア。所有サントラは2000タイトルまで数えたが、以後更新中。洋画は『ブルーベルベット』(86)を劇場で10回。邦画は『ひとくず』(19)を劇場で80回。好きな映画はとことん追う。

夕暮係

小3の年に「黒ひげ大旋風(1968)」で、劇場デビュー。照明が消え、気分が悪くなり退場。初鑑賞は約3分。忘却名人の昔人。

サポ編/2021年公開オススメランキング

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
No.1「唐人街探偵 東京MISSION」
No.2「映画 真・三國無双」
No.3「ファーザー」
No.4「モータルコンバット」
No.5「総理の夫」
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

妻夫木聡
三浦友和
検分役/2021年公開オススメランキング

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
No.1「ひとくず ディレクターズカット版」
No.2「DUNE デューン砂の惑星」
No.3「そして、バトンは渡された」
No.4「浜の朝日と嘘つきどもと」
No.5「ファーザー」
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

検分役の音楽噺 ♫

『総理の夫』の音楽を担当したのは、現在日本映画界、そしてTVドラマ等で大活躍中の富貴晴美さんです。
個人的には『わが母の記』(12)の音楽に感銘を受けて以来、応援している作曲家さんで、 その後NHKの朝ドラ『マッサン』、大河ドラマ『西郷どん』、2021年では先述の『総理の夫』、僕がNo.3に挙げた『そして、バトンは渡された』などを担当。
昨年(2022年)もいくつか作品を担当されましたが、『かがみの孤城』が印象深かったです。
最近ではNHKの朝ドラ二度目の登板となった『舞いあがれ!』やオンエア中の日テレのドラマ『それってパクリじゃないですか』を担当されています。

「花束みたいな恋をした」 坂元裕二が描く、共振から始まる恋の顛末。

監督:土井裕泰
脚本:坂元裕二

〈Story〉
レストランで恋人同士が、1つのイヤホンを片方ずつ共有して音楽を聞いている。
別々のテーブルに居る山音麦と八谷絹はそれぞれの同伴者に、2人に対する批判を語る。
イヤホンで聴いたらLとRで鳴ってる音は違う。片方ずつで聴いたらそれはもう別の曲なんだよ。
腹立たしさを覚えてしまった麦と絹は見ず知らずの2人へ指摘しようとほぼ同時に立ち上がって互いに目が合う。
5年前、大学生の麦と絹は、京王線明大前駅で終電を逃したことをきっかけに知り合った。
深夜営業のカフェで、その場に全共闘世代の押井守がいることに自分たちだけが気付いたことで共感し、好きな文学や映画、音楽など似通っていると感じる。
恋人同士になった二人は大学を卒業後好きな仕事や生活を守るためにフリーターとなって、同棲生活を始めた。

花束みたいな恋をした

私は「花束みたいな恋をした(2021)」が今まで観た中でも好きな映画でしたね。
登場人物の年代も共感できることがありますね。
菅田将暉扮する山根麦と、有村架純扮する八谷絹のストーリーです。最初に知らない二人が終電を逃してしまって、趣味が一致するのを知って、毎日一緒にいるようになるところから始まります。二人の趣味がサブカルチャー寄りで、売れてないようなバンドとか、コアな趣味が合って二人が運命を感じる。
映画のエンディングテーマ(「#勿忘」)を歌っているAwesome City Clubが劇中にカメオ役で出てきたりするんですよ。ファミレスの店員さんがボーカルのPORINで、売れていく様子を二人が見ている。たまたま私もそのバンドを大学のときに聴いていて「わかる、わかる」ってなりました。
他人が知らない趣味を共有して、二人の世界ができていく。5年間一緒にいて、最初に絹ちゃんの方が就活をするけどうまくいかない。絹ちゃんは「自分が好きじゃないことをやるって変やな」って思うタイプで、フリーターになるんです。麦くんはイラストが好きでこれを仕事にするけど、客から安値を強要されて絵では食べていけないって思う。ある日、二人が同棲しているところへお互いの親が来る。
「フラフラしていたらあかんよ」って言われて麦くんがついに就活を決める。二人が一緒にいるためだから、頑張ろうとして忙しくなるにつれて、麦くんは絵も書かなくなる。会社もブラックっぽいけど「しんどいよ」って言いつつも営業職を続ける。会社に泊まり込みも多くて、誰も居ない暗いオフィスで「パズドラ」をしている。
「パズドラでしか心を埋められないんだ」。
一方で絹ちゃんは好きなことやりたい性格だから、知り合い繋がりでイベント会社に入る。
「内定が決まったんよ」と報告をしたら、麦くんは
「好きなことが仕事ってなめている」と言っちゃうんですよね。

絹ちゃんは元々どういう仕事をしたかったわけ。

絹ちゃんは最初の就活で、圧迫面接を受けて落ち込んでしまう。その時は麦くんも
「やりたくないことをしなくていいよ」って言っていたんです。
私も大学生の時は絹ちゃんと同じで、社会に出るのって嫌やなって思っていたけど、最近この映画を観たら、「生きていくために仕事はするもんだ」って言うのも分かる。

麦くん側の方に共感する?

両方分かります。女性としての感じ方も分かるし、また仕事ってこういうものだという考え方も分かるなって。

坂元裕二の脚本が大好きですね。どれも普通の生活からドラマが起きる。

リアルです。

特別じゃないですよね。

ありそうというか、自分もこうだなと思ったり。
押井守が押井守役で出てくるし。

ハハハハ。

最初にたまたま終電を逃しちゃった四人が飲みに行くとカフェに押井守がいて、絹ちゃんと麦くんだけが気づく。麦くんが
「あそこに神がいますね」って言う。絹ちゃんは解散した後で
「押井守がいましたね」って盛り上がって仲良くなる。

他の作品でも主人公の二人の周波数が微妙に合っていく感じが上手いですね。

この二人で言えば、気持ち悪いぐらい趣味が合うんですよ。本が大好きで、家に行った時に
「同じような本棚の家にいる」って言う。
絹ちゃんのお母さん(戸田恵子)は広告代理店で働いているんです。
「社会に出るのはお風呂に入るのと一緒なのよ」って言って。
「最初に入るのは嫌やなって思っても、後から入ってよかったって思う」と、名言チックなセリフも散りばめられている。

オダギリ・ジョーは?

絹ちゃんが入るイベント会社の社長。めちゃくちゃおしゃれな社長。

いつも通りだ。

仕事や社会にフォーカスしているの? もっと恋愛ドラマだと思っていた。

恋愛ドラマですけど、「変化」を描いていて、それが二人の就職するタイミング。映画の最初と最後が今で、真ん中が回想です。今はそれぞれ違う人といるんです。別れていることが最初で分る。
カフェにイヤホンを半分こして聴いているカップルがいて、それを見て、「右と左で鳴っている音は違うから、あんなことをしたら音楽を作った人が泣いちゃうから、言って来る」って、二人が同時に立ち上がると目があって「あッ」てなるのが最初。二人が付き合っていた時にファミレスの隣に座っている人に同じことを言われていた。別れた今も二人に同じ記憶が面影となって、お互いの成分を吸収して人生を送っている。そういうのがいいなって。

坂元裕二は主役の人たちの本質が変わらないんですね。
「地」となる事情や時代で関係性が変わってドラマになる。
「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう(2016)」も「地」が変化するドラマで有村架純が主演でした。

ドラマが中心ですね。

最近の「初恋の悪魔(2022)」は警察の中の総務部の人と元刑事のドラマ。

「大豆田とわ子と三人の元夫(2021)」とか「カルテット(2017)」。

「最高の離婚(2013)」も面白い。

「東京ラブストーリー(1991)」は有名ですね。

「花束」が公開された時、カップルで観たらスッゴイ続くか、別かれるかのどっちかという都市伝説が流行っていました。

高校生の時に観るか、社会人1年目に観るかで感じ方が違いそうです。

友達の結婚式に二人で参列していて、二人ともこの結婚式が終わったら別れようって決めていて、その後にデートをする。
それが二人には楽しくて、今まで仕事ですれ違っていた日々の中で、良いデートができて、その後にファミレスに行くんです。麦くんはそのデートが楽しかったから、これからもやっていけるって思う。絹ちゃんは、今日が最後で、楽しく終わりたい。麦くんは結婚したい勢いで長ゼリフを喋って
「恋愛感情がなくていいから一緒にいようよ」、とまで言う。絹ちゃんはお互い好き同士でいたい。麦くんが気持ちを吐露している時の絹ちゃんは麦くんの言葉が全く入ってこない表情。その映し方がすごくて、一番入り込みました。一緒に居ようって言われても、恋愛感情がなくてもいいと言われると違うでしょって思います。
この作品を観た時が私自身も大学を卒業した年で、いいなと思いましたね。絹ちゃんのように好きなことしてみたい。

キネ娘編/2021年公開オススメランキング

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
No.1「花束みたいな恋をした」
No.2「イン・ザ・ハイツ」
No.3「クルエラ」
No.4「マーメイド・イン・パリ」
No.5「プロミシング・ヤング・ウーマン」
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

菅田将暉
有村架純

坂元裕二脚本(脚色は省く)

◆─テレビドラマ─◆

1987
「GIRL-LONG-SKIRT~嫌いになってもいいですか?~」
1990
「日本一のカッ飛び男」
1992
「二十歳の約束」
1994
「海が見たいと君が言って」
1995
「聖夜の奇跡 第2話 聖者が街にやってくる」
1996
「翼をください!」
2003
「男湯」「男湯2」 「あなたの隣に誰かいる」
2004
「ラストクリスマス」
2006
「西遊記」 「トップキャスター」
2007
「わたしたちの教科書」
2008
「太陽と海の教室」
2010
「チェイス〜国税査察官〜」「Mother」
2011
「さよならぼくたちのようちえん」 「それでも、生きてゆく」
2012
「負けて、勝つ 〜戦後を創った男・吉田茂〜」
2013
「最高の離婚」 「Woman」
2014
「最高の離婚Special 2014」 「モザイクジャパン」 「おやじの背中 第2話 ウエディング・マッチ」」
2015
「問題のあるレストラン」
2016
「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」
2017
「カルテット」
2018
「anone」
2020
「Living」 「スイッチ」
2021
「大豆田とわ子と三人の元夫」
2022
「初恋の悪魔」

◆─映画─◆

1996
「ユーリ ЮЛИИ」
1998
「TOKYO EYES」サンティアゴ・アミゴレナ、フィリップ・マドラルとの共同脚本
2006
「ギミー・ヘブン」
2007
「西遊記」
2021
「花束みたいな恋をした」
2023
「クレイジークルーズ」(Netflix配信) 「怪物」
2024
「片思い世界」

「モータルコンバット」

監督:サイモン・マッコイド
脚本:グレッグ・ルッソ、デイブ・キャラハム

〈Story〉
『モータルコンバット』として知られる10の大会のうちの9つで人間界は敗北した。
人間界が10回目の大会に敗れた場合、ルールでは魔界に征服されると定められている。
古代の予言では、ハサシ・ハンゾウの血統が復活し、新たな王者のチームを決成させる。
魔術師シャン・ツンは、次の大会の前に人間界の王者を殺すために暗殺者ビ・ハンを人間界に送る。
人間界の王者の1人に総合格闘技選手コール・ヤングがいた。

モータルコンバット

モータルコンバット(2021)」は僕もこの年のマイベスト2位ぐらい。期待せずに観たら思いのほかよくて。やっぱ真田広之がめちゃくちゃかっこいい。

元はゲームですか?

日本じゃ販売されてないんでしたっけ。

アーケードゲームにあるような対戦格闘ゲームだった。名前はうっすら聞いたことあるけど、古すぎて実際にやったことはないゲームでした。

理屈抜きで楽しめる。

お話が進んでいくと、敵か味方かみたいな。

魔界の連中が格闘家同士を集めて戦わせる。真田広之はスコーピオン役のオファーが来た時に迷っていたとか。

真田広之はもっとアクション映画に出るべきだ。

年齢から考えるとね。どこまでできるのか。

62歳でした。

拠点はアメリカですか。

そうね、向こうのドラマにも出ているし。

本当だったら綴りがCなんですよ。(Combat→Kombat)残酷なゲームでKillをイメージさせようと。

勢いで見る映画で、考えるよりは楽しむアトラクション系。

始まりはイニシエーション的かな、原郷から旅立つみたいなね。

続編を作ってほしいです。「モータルコンバット」は魔界と人間界の戦いのこと。「モータルコンバット」がもうすぐ開催される、10回負けたら、負けた方の世界が征服されてしまう。すでに9回負けているから人間界に後がない。開催前に出場者らを殺して妨害するという話。

そこだけで話を完結しちゃう。

もっと話題になって欲しかったなと思います。

真田広之

「映画 真・三國無双」

監督:ロイ・チョウ
脚本:トー・チーロン

〈Story〉
後漢末期、朝廷は腐敗し太平道の教祖・張角は反乱を起こす。
迎え撃つ朝廷側の太守・董卓が張角軍に押されるも劉備、関羽、張飛の三義兄弟が駆け付ける。
形勢は逆転し張角軍を打ちのめす。
この「黄巾の乱」を機に後漢王朝の衰退が進む。
勝利を手にした董卓の横暴ぶりは目に余り、武将・曹操が董卓暗殺に乗り出す。
暗殺に失敗した曹操を猛将・呂布が追いかける。
活躍した劉備、関羽、張飛は「反董卓連合」に加わるため旅路を急ぐが「鋳剣砦」の森に迷い込む。
鋳剣砦の主は運命に導かれし英傑たちに無双の力を秘めた武器を授けると言う。

映画 真・三國無双

映画 真・三國無双(2021)」も話題になって欲しかった。

上映館もかなり限られていたんだよね。僕は観てなくて、そもそもゲーム自体詳しくないんだ。

これも何も考えずに楽しめる系だから。
中国作品です。ゲームは日本のコーエーテクモゲームス(旧:コーエー)の製品です。

中国の歴史を日本がゲームにして、それを中国が映画にした。

おかげでロケーションとか美術とかはしっかりと研究して中国の当時のものを再現した。アクションゲームなんで、ストーリーは割愛されているんです。「三国志演義」を参考にしたストーリーでわかりやすい。アクションシーンは荒唐無稽です。

「モータルコンバット」みたいな。

「三国志演義」はぶっ飛び系で川下りのシーンが毎回笑ってしまう。超人なんで船に乗らないで水上を飛びます。

すごい感じ。

ゲームだから武器に火属性とか水属性とか雷属性とかがアクションシーンに反映されている。

「三国志」が詳しくないんです。原典に則っているの。

「三国志演義」って長い話だけど、三國無双のアクションゲームは戦争のところしか再現されないから、間はナレーションだけですよね。映画は人間ドラマとかエピソードを再現してくれるし、わかりやすくダイジェストになっている。

「三国志」は世界で一番古い歴史書やからね。
ただ中国の歴史書は、支配した方が後から書く。

「三国志」と「三国志演義」は別物。「三国志」がちゃんとした歴史書で、「三国志演義」は民衆とかの間で面白おかしく作られた話。

レッドクリフ(2008)」って、いきなり始まるじゃないですか。あれ分かりにくいですね。

「三国志演義」は、最初の主人公が戦いに参加していくところから。

主人公は誰なんですか。

魏志倭人伝にも出てくる魏と呉と蜀という国があって、蜀の国を作った劉備が主人公。「三國無双」といっても三国の話までいかない。

「総理の夫」 いつかこんな日が。

監督:河合勇人
脚本:松田沙也、杉原憲明
原作:原田マハ

〈Story〉
鳥類学者の相馬日和は、鳥の観測のため北海道へ出張する。
帰って来ると空港に押し寄せる取材陣。状況が把握できず立ち尽くす日和の元に、内閣広報官の富士宮あやかが迎えにくる。
車の中で、妻が日本初の女性総理大臣に就任したことを知る。
家の門には警備員が張り付き、携帯電話にはGPSがつけられる。
そして、総理官邸へ引っ越すことになり、日課である早朝の鳥の観察もできなくなる。

総理の夫

総理は女性ということね。

100代目の総理に女性が初めてなる。主人公(田中圭)が何も知らされないまま総理の夫ファースト・ジェントルマンになった。

原田マハが原作か、美術系の小説を書いている人かと思っていた。

このイメージなかったですね。

主人公は鳥類学者で、電波が全然入らないところにフィールドワークで行っていた。戻ってきたら自分のパートナー(中谷美紀)が総理になっていて、初めての女性総理でニュースになって、空港に着いたら報道陣に囲まれる。

コメディですか。

基本はコメディだけど、政治家同士のバトルや選挙活動とか。

政治ドラマみたい。

政界の闇や相手陣営からの妨害とかハニートラップが出てくる。主人公は奥さんが総理になったので、好きな仕事が継続できなくなったり、総理も女性だから続けるのが難しくなる。選挙期間中の時点で妊娠していたり。
現実でも早く日本初の女性の総理が出てほしいなと思いました。

おすすめポイントは?

総理大臣が男だとフィーチャーされない。女性っていうだけでストーリーになってしまう。日本の政治家に女性が少ないとか、大臣にだとなお少なくて、女性総理は1人もいない。日本の男女不平等について考えてほしいと思いました。

「マーメイド・イン・パリ」 歌声が凶器の人魚姫

監督:マチアス・マルジウ
脚本:マチアス・マルジウ、ステファン・ランドスキ

〈Story〉
バー「フラワーバーガー」のパフォーマーのガスパールは、ある夜、倒れている女性を助ける。
彼女は本物の人魚で、歌で男の心を破裂させることができる。
しかしガスパールは彼女の歌を聴いてもまったく死なない。
ガスパールは、自分は失恋ですでに心は破れていた。
優しく介抱してくれるガスパールに、彼女は自身の名前がルラだと伝える。
ルラに夫を殺されたミレナは、ガスパールの残した手掛かりを元に人魚の捜索を始める。

マーメイド・イン・パリ

マーメイド・イン・パリ(2021)」は印象に残る映画。フランス映画独特の静けさが好きだな。

これは「人魚姫」ベース。

街に人魚が来て「スプラッシュ(1984)」っぽい感じ。人魚の歌声を聞くと死ぬ。妖怪的でかわいらしい描き方。

男の人はミュージシャン志望?

そうですね、お母さんが舞台女優で、ショーに出るのを見て、自分もショーマンとして歌っているんです。

バーで夜に営業しているときに、その場で弾き語りをする?

ブルーノートのように舞台もある。

舞台の背景が開く仕掛けとか。

ヨーロッパの映画にはよく出てくるね。その装置も面白いですよね。映画でしか表現できないような舞台転換。

全部が飛び出し絵本みたいな感じでしたよね。

小道具も凝っていますよ。

詩的というか。ストーリーは分かりやすくて、ポエミーな感じがいいです。

人魚の方が生きるか死ぬかになっちゃうんですね?

最後は海に返してあげないと死んでしまう。おしゃれなドタバタみたい。

割とドタバタしたかもしれない。隣の人がいいキャラでいい人で相談役になってくれる。

「プロミシング・ヤング・ウーマン」 女性的意趣返しの方法。

監督・脚本:エメラルド・フェネル

〈Story〉
医学部在籍中、キャシーの親友は同級生のアルにレイプされ、誰からも信じてもらえなかったことに絶望し自殺してしまった。
キャシーは医学部を中退し、近所の喫茶店でバリスタとして働く。
彼女は夜になると女性を性欲のはけ口としか思わない男たちに制裁を加えていく。
ある日、キャシーはかつての同級生ライアンと再会したことで過去を清算する覚悟を決める。

プロミシング・ヤング・ウーマン

プロミシング・ヤング・ウーマン(2021)」のストーリーは激しくて、印象の強さで選びました。

2021年のマイベスト。「プロミシング・ヤング・ウーマン」は「モータル・コンバンット」と同じぐらい好きです。スカッとしたから。

男の人が持っている強さと女の人の強さって違う。ヒロイン(キャリー・マリガン)が最終的に負けちゃった印象があって、もやっとしたものの、引き込む力があると思います。

出てくる男がみんな嫌なやつばっかりね。

人によってはつらいと思うんです、こういうのを問題視しないといけない。友達の女の子が事件に遭って、死んじゃって、一番仲良かったヒロインが復讐する。もうやっていることは殺し屋ですね。

事件は生生しい音声で描かれる。

基本は復讐劇。ジャンルはサスペンス。

「プロミシング・ヤング・ウーマン」の意味は将来を約束された若い女性。
キャリー・マリガンもお医者さん志望やったんで、まさしくそのプロミシング・ヤング・ウーマン。友人の事件がきっかけで、夢を諦めてカフェの店員になる。

狂わされた側ですね、主人公も。
脚本賞を獲った。なんで復讐するかも曖昧なまま進む。分からないのが面白い。

加害者男性の弁護士に会いに行くと、やったことは誉められたことじゃないけど、思ったより悪い人じゃない。復讐するのも男性相手だけじゃなくて事件を隠蔽した校長先生や女子生徒。

社会的な制裁もありました。

ヒロインがぶっとんだ人。楽しめるけど重たいです。

元に性加害があるのでしんどいかなって思った。

この年に気に入ったのが「ラストナイト・イン・ソーホー(2021)」。

「ラストナイト」の映像がユニーク。映像の編集に驚かされる。

そうですね。ホラーチック。

過去の人とリンクする。

夢の中で自分がある人間になっていく。

ストーリーの作り方がうまかったですよね。
「プロミシング」は本当に先が読めなくてだいぶ揺すぶられる。

主人公が絶対勝てる感じじゃないからスリルがある。

最初から最後までずっとびっくりしていた。よく作ったなって感じがしたね。

やりきったなって。

評価は分かれそう。だから賞を獲る。

(対話月日:2023年3月3日)