もう少しお家時間を楽しめますように、映画好きな素人のおしゃべりに、お付き合いください。
皆様がひとつでも観たい映画が見つかれば嬉しいです。
本日も、そろそろ夕暮れになりましたので始めましょう。
「シザー・ハンズ」の話をしよう
「シザーハンズ(1990)」の話からしましょうか?
初でしたっけ? ティム・バートン。
「バットマン(1989)」と「チャーリーとチョコレート工場(2005)」は観たことあるけど、シザーハンズは始めて。
この土日ね、2日間とも難波とかに行って映画を観ていたんです。全然家で観る時間がなかったから、U-NEXTでレンタルして、スマホで電車の中で観てたんです。ちっちゃい画面だったけど、ちゃんと楽しめたんで。
移動しながら?
そうなんです。週末だけで5本ぐらい映画を観ていました。
最近私は、全然観れていなくて、映画館も行けてないし、U-NEXTの無料期間が終わってしまいました。明日は映画の日。それで映画館に行こうかなぁと迷ってます。ふふふ。
「シザーハンズ」は、作り物感っていうのが観ていて思いましたよ。家も登場人物の服装とかもピンク一色とか黄緑一色とかいい感じで、作り物感と言うか、ミニチュアっぽさがあって、それは楽しかった。
あとね、そんな可愛らしい街並みなのに、近くにおどろおどろしいお化け屋敷みたいなのがあるのが、ちょっと変わった景色で、一気に引き込まれた。
遠景にあるんですね。山の上のお屋敷。
差がすごいですよね。
そのコントラストがね。街も人も日本の高度成長期と似ているなぁと思って、アメリカのそういう時期なのかなぁって。
流行っていたみたいですね。パステルカラーの家とか60年代位で流行っていたらしいです。(アメリカの1960年代は、経済成長、自動車普及、パステルカラーファッション。公民権運動といったマイノリティの人たちが声を上げ始めた時代)
朝になったらみんなが車で出勤して、夕方になったら戻ってきて、そういう時代なんですね。
でも、丘の上の屋敷に入ったらね、雰囲気が全然違う。
階段が境界で、渡るとあの世界に入って行ける。あの階段が良いね。
あそこだけモノクロ映画みたいになっています。
そうね、エドワード(ジョニー・デップ)の格好が当たり前だけど、街の人と全然違うっていうか、同じ映画のキャラクターとは思えないほどギャップがあって。
ペグ(ダイアン・ウィースト)が化粧品を売りに行く時に、1人だけすごくカラフルな服を着ていて、そこにモノクロのバック。
際立っていたよね。
僕はてっきりあの化粧品売りの女の人と恋に落ちるのかと思ってた。そしたら娘さんの方やった。
そうですね。すごく親切な人。
街の人がみんな最初はちやほやして、「庭の木を切って」とか「髪の毛切って」とか散々いいように使っていて、ある事件のせいで手のひらを返したみたいに「危険だ」ってなって。あれが観ていて辛かったなぁ。最後までエドワードの濡れ衣が晴れることがなく終わっちゃった。ちょっと後味が悪いなと思ったな。
ペグがエドワードをお家に連れてくると、みんなが関心を持って「誰を連れてきたんやろ」みたいな。
すごい内輪感がありましたよね。
みんなで電話しあって。
ああいう井戸端感。すぐに噂が広がって、その辺もアメリカっぽくないような、当時はどこの国も一緒なのかなぁって気がした。
確かに。
噂好きっていうのかな?
休みの日になったらね。外にデッキチェアを出して、お父さんが座って、バーベキューを焼いて。
小さい街っていう感じですね。閉鎖的。
新興住宅と昔からあった山上のお屋敷。
そこだけ変わってない感じですよね。
で、そこから出てきても違和感がないように。
意外とあのお屋敷が近いんや、って思いました。
おかしいよね。
ね。もっと上のほうにあるのかなぁと思った。意外と歩いて行けるやって。
エドワードがあれだけ見た目でギャップがあるのに、家に連れて帰ってきたら、結構みんなすぐに馴染んで、そこがまたおかしかったです。
あの物語の構成は、「美女と野獣」と似ている。
まさしく異形ですね。
なんで手がハサミの人を作ろうと思ったのか? あの博士か科学者か知んないけど、よく分かんないな。
やっぱり「手」にキーワードがあるような。あの脚本のね。
「触れない」みたいな気がしますよね。
触れない、でも特殊技術を持っているので、それを生かして街の人と最初は交流ができて、髪の毛を切ったりとか、植木を切ったりとかするんだけど。結局、男の子を助けてもハサミで傷つけちゃって。
すごくジレンマがありますね。
あの警官の人(ディック・アンソニー・ウィリアムズ)がいいじゃないですか。
びっくりしましたよ。
「逃げろ」って言って逃してあげて。
釈放された時も「お前のことが心配で寝れなかったよ」みたいな、いい人やなって。黒人さんだったこともあるのかなぁと思って。
それはそうでしょうね、きっとね。
みんなが同じような生活をしていて、その中に違う人がきたら最初は面白いけど、何かあったときに差別になっちゃう、風刺的に感じました。
なるほど。
Eくん
年間 120本以上を劇場で鑑賞する豪傑。「ジュラシック・ワールド」とポール・バーホーヘン監督「ロボコップ(1987)」で映画に目覚める。期待の若者。
キネ娘さん
卒業論文のために映画の観客について研究したことも。ハートフルな作品からホラーまで守備範囲が広い。グレーテスト・シネマ・ウーマンである。
夕暮係
小3の年に「黒ひげ大旋風(1968)」で、劇場デビュー。照明が消え、気分が悪くなり退場。初鑑賞は約3分。忘却名人の昔人。

シザーハンズ
原案・監督:ティム・バートン。町外れの山の上の屋敷に暮らす発明家(ヴィンセント・プライス)が人造人間・エドワード(ジョニー・デップ)を造った。両手はハサミで、心臓はハート形クッキーで仮に造った。そして、彼が心臓発作で死亡すると、エドワードはひとり屋敷に残された。
ティム・バートンの世界から
博士が死ぬのは突然でしたけどね。
あれもびっくりしましたね。
なんで死んだかはわからなかったですね。
人間の手を与えようとしていた。あれもいまいちしっくりこなくて、それだったら最初からハサミを‥。
手は最後やったんでしょうね。
心臓は早めに、何でクッキーやったのか分からないけど。
野菜を切るロボットみたいだったですよね、最初は。
あー。
なるほど。
あの冒頭やったか、工場のマシンみたいなのがあって、あれもおもちゃみたいな感じがして、暗いようで可愛らしい感じのバートン特有の雰囲気が出てました。
みんなで屋敷に押し寄せたときに、その名残で、大きな歯車があったりとかね。
今回はオープニングの20世紀フォックスのファンファーレに雪が積もっていて、ああいう特殊な‥。
映画に合わせて変えてありますよね。
最近の「アリータ: バトル・エンジェル(2019)」だと、FOXのロゴがね、ちょっと朽ち果てた感じになっていたり、ああいう映画の世界に合わせて変えるのが個人的には好き。
いいですよね。
「レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981)」もそうでした。
昔からあったんですよ。ちょっとイジるみたいな。(「アラスカ珍道中(1949)」では、映画の途中でアラスカの山がパラマウントのマークに変わる。これがトレードマークをイジる最初かも)
ディズニーとかもありますよね、シンデレラ城が変わっていたりとか。(ディズニー映画のオープニング動画を制作したのは、VFXアーティストの多田学さん)
「シザーハンズ」の最初はおとぎ話の始まり方ですよね。
そうですね。回想から始まる。
「なんで雪が降るの?」みたいな。それを説明する。
ばあちゃんがお孫さんに話をする。
だから、あのおばあちゃんがキム(ウィノナ・ライダー)なんでしょ?
そうです。そうです。娘の方ですね。
あれはやっぱり他の人と結婚したのかな?
そうですね。
でも最初の時に気づかなくて、最後になってやっと、なるほどみたいな感じで。
何十年たってもあのエドワードはキムのことを思って、氷をパタパタって削って。
そうなんですね。すごく切ないですね。
前から観よう、観ようと思っていて、やっと観れたんで。
よかったです。
バートンの世界観が好きです。ああいういびつな感じで、ちょっと不気味。
「バットマン リターンズ(1992)」もあんな感じでした。
前なんで、あんまり覚えてないです。
ペンギンがね、まさしく、いびつな感じを具現化した感じ。面白かった。
ティム・バートンはイラストが得意だったみたいです。「ティム・バートン展」に行ったことがあるんです。ちっちゃい時から書いていた絵を今も映画に出しているみたいです。
「フランケンウィニー(2012)」も観たことないんだけど。
「ティム・バートンのコープスブライド(2005)」の主人公の幼少期だったような気がします。
観られたことありますか?
僕はないなぁ。
あ、そうなんですよ。
せっかくやから観にいこか?
イラストはよく見るんだけどね。
いいですよ、あれは。ふふふ。
監督だったらティム・バートンが1番好きなの?
そうですね。1番観ていましたね。ちっちゃい時から愛着があるっていう感じです。
監督特集やね。
いいですね。
監督1人を選ぶってなったら誰がいいですか?
夕暮係さん誰でしたか? デ・パルマでした?
ヒッチコックの路線というかね。でも、1人選ぶってなったら難しい。
僕はセルジオ・レオーネ。観た事ある?
なかったかも知れない。
名前を聞いたことあるくらい。
「夕陽のガンマン(1967)」を観てね。
わかりました。
「続・夕陽のガンマン(1967)」って意外と長いよね。
2時間半以上ありましたよ。あれは結構長い。
西部劇の映画って観た事ある?
あまりないですね。
あんまり観る機会ないよなぁ。俺もそんなに詳しくないし。そういう西部劇ばっかり撮ってるの監督。イタリアの‥。
マカロニウェスタンですね。
あー、聞いたことあります。観たことないです。
古いですもんね。
西部劇は、「マグニフィセント・セブン(2016)」。
最近ね。面白かったね。
「博士と狂人」が辞書を作る
「博士と狂人(2020)」は映画館で観ました。
面白いですか?
オックスフォード英語辞典?
そうです、そうです。
英語の辞典を作った人たちの話。博士と狂人という2人が作った。ショーン・ペンでしたっけ?
狂人の方がね。
殺人を犯して精神病院の中にいて、手紙を通じてメル・ギブソンが英語の辞典を作っているのを手伝ってから、2人が出会う。
すごい精神病院で、ですか?
メル・ギブソンの方は、独学で勉強した人で、イギリスの権威のある人たちから「なんでこの人を使うんや」みたいに言われる。でも、才能があって、博識なのがお話ししているところで分かる。ちょっと言い負かされたりする。
あ、そうなんですか。
「じゃあ任せてみよう」ってなって、辞書を作ることになる。「最初は「A」から行きましょう」って。
「博士と狂人」って、そんな冬が関係ありました?
雪合戦をするシーンがあるんです。
あったかなぁ?
全然覚えてない。
雪が印象に残るシーンとかありますよね。雪降ってたなぁって。
メル・ギブソンが行き詰まっていると、奥さん(ジェニファー・イーリー)が呼び出して子どもを連れ出して雪合戦をする。
タイトルとストーリーが意外でした。
確かにね。最初、狂人って書いているから、サスペンス系かなって。
原作はドキュメントで、それを映画化した。(サイモン・ウィンチェスター著ノンフィクション「博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話」)
「カリガリ博士(1919)」みたいなやつかと思いました。
殺伐とした感じかな。
それを知っているっていうのは大したもの。
博士と狂人
監督:P・B・シェムラン、原作:サイモン・ウィンチェスター「博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話」19世紀のイギリス。 アメリカ人の元軍医である、ウィリアム・チェスター・マイナー(ショーン・ペン)は、何者かに狙われている幻覚から、男を銃で撃ち殺す。 逮捕され、裁判の末、精神病院に収監される。 ジェームズ・マレー(メル・ギブソン)は、独学で学者となり、言語に関する知識を披露し、オックスフォード英語辞典の編纂者となる。 辞書作成が難航、「Art」に関する記述が見つからない。 マレーは、ボランティアから単語を収集すると、マイナーから「Art」に関する情報が返ってくる。 マイナーの知識で、辞典作成の作業が軌道に乗り始める。 マイナーは、自分が殺した男の家族に、軍の年金を渡したいと依頼するが、未亡人イライザ(ナタリー・ドーマー)に拒否される。 やがて、イライザは子供達の為に、年金を受け取るべきと考えマイナーと面会する。 マレーは精神病院にマイナーを訪ね、友情を深める。 AからAntまでが記載された「オックスフォード辞典」が発売されるが、辞書編纂に殺人者が関わっていた事を新聞報道されてしまう。
動物映画の名作シネマ
「野性の呼び声(2020)」は、ハリソン・フォードが出ています。
昔は「野性の叫び(1972)」って、チャールトン・ヘストンが出ていた。
リメイクみたいな感じですか?
3回目じゃないかな。(映画化は6度目)
犬の物語なんです。犬が主人公って言ってもいいですよね。
犬が主人公で、語り部みたいになるんですか?
チャールトン・ヘストンの時はね、モノローグで「その犬はどの狼よりも獰猛で、どの狼よりも早く‥」みたいなナレーションから入って、アラスカの氷の平原を狼の群が走っているんです。その先頭をバックという犬が走っている。バックが氷の表面を掻いたら、氷の下にチャールトン・ヘストンの顔が埋まってる。
え!
ていうところから。
埋まってるんですか? へー。見つけるんですね。
そこで亡くなっているのを知っていて、大親友みたいな感じでね。
そこから物語が始まるんです。
でも、2020年の作品はディズニーでアットホームなんです。
児童文学みたいな感じでしたね。
アラスカから始まるんじゃなくて、もっと南の方のお屋敷の中で、家庭の中で飼われている大型犬みたい。それがやんちゃをして…。
もともとはちゃんとしたお屋敷で飼われていた犬なんです。逃げ出してそこから…。あれは、どこまで行ったんでしたっけ?
活躍する場面はアラスカで、ゴールドラッシュの時代。
アラスカで金(きん)が出たっていうので、みんなが金を取りにアラスカに行くんです。当時ってアラスカで移動するっていったら犬ゾリしかなくて、みんなが犬を連れて行く。ソリの犬にされちゃうんです。
寒いところを走らされてね。
えー。かわいそう。
ぬくぬくと育っていたのに。
じゃあ前回の時とは始まりが違う感じなんですか?
始まりが違うけども、ジャック・ロンドンの書いた小説の物語通りですけどね。
ハリソン・フォードは分かる?
わかります。ふふふ。
で、アラスカでハリソン・フォードと巡り会うんです。
これは、ほんとに思ったより面白くて。
犬ゾリって、2匹ずつ縦につないで、誰をリーダーにするかでソリの性能が変わってくる。犬の中でも誰がリーダーになるみたいなのがあるんです。
「俺が先頭を走る」みたいな感じになるんですか?
バックの犬ゾリとしての犬の優秀さみたいなのが発揮されて、だんだんリーダーになっていく。
それで、犬が主人公みたいな感じなんですね。へー、なるほど。面白そうですね。
20世紀FOXなんだけどディズニーに買収されて、タイトル画面が20世紀スタジオになっている。ファンファーレの画面に衝撃を受けた。FOXじゃなくなっている、「フォードVS フェラーリ(2020)」ではFOXだったのに。

野性の呼び声
監督:クリス・サンダース、原作:ジャック・ロンドン。カリフォルニア州。 大型犬バックは、飼い犬として快適な生活を送っている。 ある日、さらわれ、売り払われてしまう。 カナダ人に買われ、そり犬として働くようになる。 バックは、他の犬を観察し群れでの生き方を学ぶ。 先導犬スピッツと対立するが、闘って勝ち、バックは先導犬となる。 郵便の重い荷物を運ぶことになり、酷使されて弱りきった犬たちは、売り払われる。 バックは三人組家族に売却されるが、北の荒野での経験が少く、多くの犬を死なせながら無謀な旅を行う。 棍棒で打ち据えられるバックをジョン・ソーントン(ハリソン・フォード)が助け、三人組から引き離して保護する。 ソーントンとバックたちは金採掘の旅に出て金を見つけ出す。 バックは森の中で狼と交流する中で、バックは野性の本能が目覚めてくる。 ある日、ソーントン一行はインディアンたちに狙われていた。
人生は分岐し、本当の幸せに気づく
キネ娘さんが冬に観たくなる映画は?
「天使のくれた時間(2000)」です。
ニコラス・ケイジの。
そうです、そうです。
観たことがない。どういう映画ですか?
ニューヨークのウォール街で銀行員をしているのがニコラス・ケイジなんです。
ストーリーの冒頭で彼女と空港で離れ離れになるシーンから始まるんですよ。それぞれの進路があるから、ニコラス・ケイジはロンドンに行って、彼女は残る。
「でも、ずっと好きだよ」って。
別れちゃう。
そうなんです。
10年ぐらい経つのかな。そこからまたスタートするんですけど、ニコラス・ケイジは彼女と別れてしまっているというのが分かるんです。自分の夢というか人生計画を叶えて銀行の社長になる。仕事が大事という人になっている。
クリスマスの日も「大事な買収があるからって、ホリディなんてないよ」て感じで。
大事な買収の日に目が覚めたら、全然違う家にいるんです。
しかも、そこに女の人が寝ていて、子供も居る。「これは誰の家や」って。子供が自分のことをパパって言うんですよ。それでおかしなことになってるっていうので話が進んでいく物語。
パラレルワールドに迷い込んだみたいな感じかな。思ったよりもファンタジーで面白そう。
そのパラレルに行く前にコンビニに黒人の男の人が来るんです。そこで「俺は宝くじに当たったから換金してくれ」って店員さんに言うんです。「そんなの嘘や」って店員さんに言われて、「なんでや」みたいになって銃で脅すんです。それをニコラス・ケイジが見ていて、「僕がそのチケットを買うから」ってそれを収めるんです。そしたら黒人の人がキーマンやったんですよね。トリップした後にもともと自分が乗ってたフェラーリでその男の人がくるんです。「なんで俺の車に乗ってるんや」とか、もともと黒人の人は貧乏でニコラス・ケイジがお金持ちってなのが、入れ替わってしまっている。
なぜそんな世界になったのか気になる。
でもそれがなんであの人がキーマンになったのかは、あまりはっきり分からない。でも自分が見失っていた時間をそこで見つけるために、人生の分岐点でルート変えた形を体験することになる。
そっちのルートになってた時は空港と離れた彼女と結婚してる。
面白いですよ。
夕暮係さんご覧になられましたか?
観たんやけど、所々忘れている。
ニコラス・ケイジがそんなハートフルな映画に出てるっていうイメージがそんなにないです。先日、観たのがニコラス・ケイジ主演で「ウィリーズ・ワンダーランド(2021)」。端的に言うと廃墟の遊園地で人を襲いまくるマスコットキャラクターの着ぐるみ達をニコラス・ケイジがボコボコにする、クレイジーな作品。こんな映画に出てたってすごいギャップあるなって。
へー、そうなんですね。
結構幅広いのは広いけどね。そのアットホームパパもするし、ちょっと狂人的な役もするし。
「マッド・ダディ(2018)」では子供を襲う父親もしてました。
カメレオン俳優みたいな感じですね。
巻き込まれ方の普通の人みたいなのもするし。
振り幅がすごいです。この映画のニコラス・ケイジは結構ハートフルよりなんですか?
まぁ普通と思うよ。
変な役ばっか。
そういう意味ではショーン・ペンも振り幅広いね。
ショーン・ペンは僕はあんまり知んないです。
この間も話にあがっていましたね。
振り幅が広いっていうと個人的にはゲイリー・オールドマン。役によって全然違うじゃないですか。体型とか、同一人物か?と思うくらい。
体型を変えられるのはすごいですね。
クリスチャン・ベイルとかね。(「マシニスト(2004)」で29㎏減量したのは有名)
ゲイリー・オールドマンは、チャーチル(「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男(2018)」)とかやっていたよね。
はい、ありましたね。
日本のメイクの人が完全にチャーチルに作って。(辻一弘が、アカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイル賞を受賞)
似ているんですか?
最近、ああいう歴史的な人をやると、ほんとに似せていくよね。
バットマンの時とかは良い警官というか。
ゲイリー・オールドマンを最初に観たのは「レオン(1995)」の刑事。
薬を飲むときの。
決まってる感がすごい。
錠剤をガリって噛むときに、なんであのカットだけ真上から撮るんやみたいな。
最近やったら「Mank/マンク(2020)」でアカデミー主演男優賞ノミネート。
そうそう、そうそう。
「マンク」はNetflixの映画だから観てないんですよ。
あーオリジナルですか?
入ってる?
入ってます。
Netflixオリジナルって、毎年賞レースで話題になってるじゃないですか。
そうですね。
最近だったら、映画館で上映もしているけど、全然観たことない。
多いですもんね。
あれもそうでした? アル・パチーノの。
「アイリッシュマン」はNetflix限定です。

天使のくれた時間
監督:ブレット・ラトナー。空港で、ジャック(ニコラス・ケイジ)は恋人のケイト(ティア・レオーニ)を残し、銀行での研修のためにロンドンに旅立つ。 13年後、ジャックはウォール街で金融会社の社長になったが、ケイトとは破局していた。 クリスマス・イヴの2日後には企業合併を控えていた。 帰路で立ち寄ったスーパーで、黒人の青年キャッシュ(ドン・チードル)が店員の対応に激怒し銃を突きつけていたが、ジャックの交渉により治る。 キャッシュは「これから何が起きてもあんたの責任だ」という言葉を残して去っていく。 翌朝、ジャックは見知らぬ庶民的な家のベッドで目を覚ました。 隣には別れたはずのケイトが寝ていて、2人の子供がいた。 高層マンションに戻っても警備員や友人は自分を知らない。会社は部下だった男が社長になっていた。 ジャックの前にキャッシュが現れ「答えは自分で探せ」と告げる。 この世界は海外研修を中止したもう一つの世界だと分かる。 やがて、ジャックは家族との生活が一番の幸せだと思うようになるが、キャッシュが再び現れ「煌きは永遠には続かない」と告げると、元の世界に戻りクリスマスの朝に目覚める。 明日に控えた企業合併の指示を出した後、ジャックがケイトを訪ねると、彼女はパリに引っ越そうとしていた。 ブレット・ラトナー監督が「素晴らしき哉、人生!」をモチーフに描いた作品。
「フォレストガンプ」は、なぜ冬に観たくなる?
「フォレスト・ガンプ/一期一会(1995)」って冬のシーンを全然思い出せないです。ベトナム戦争に行く話とマラソンしてる話しか思い出せない。
「フォレスト・ガンプ」は、あれ? 僕なんで入れたんやったかな?
四季に亘っていた記憶はあるんで、冬のシーンはあったとは思うんです。
あー、そう、そう、そう、そう。
「フォレスト・ガンプ」の話をしましょうか? えーっと冬は後の方で出てきます。
やっと思い出した。
これね。CGにお金かけたので有名だったんですよ。
冒頭の羽のシーン?
そうです。フォレスト・ガンプがバス停で座って。
あれですか?
足元から飛んでいくのかな、羽が。
あそこはから、だんだん回想シーンが始まっていくんです。ずっと子供の時代から大人になって、バス停のところまでをずーっと振り返るお話なんです。
これってねアメリカの歴史をずっと追いかけていくんですよ。
フォレストガンプは最初ね、足が悪くて補助器具をつけているんですよね。そこに巡業でエルビス・プレスリーが来るんですよ。宿泊施設みたいにしてるので泊まりに来る。補助器具をつけてるんでちょっと歩き方がぎこちない。それをプレスリーが見て、歌うときに腰を振る。
(笑)
そういうことをするんですよ、フォレスト・ガンプの脚本って。
もうひとつCGで話題になったのが、過去のニュース映像と合成をしちゃう。
ほんとに放送されてたニュースなんですか?
そうです。当時のジョン・F・ケネディと一緒に話しして握手するシーンがあったり。後はベトナム戦争に行ってフォレスト・ガンプが仲間たちを助けるんです。上官を最後に助けるんだけど上官は負傷してしまって車椅子になってしまうんですよね。ベトナムから帰還するんです。その人と、ベトナムってエビがたくさん取れる国で‥。
あー、エビの話ありましたよね。自分でやるんですよね。
そうなんですよ。ダンという上官と一緒にエビの会社を始めるんです。ベトナムで培った技術を使ってアメリカで始めると、それが当たって大金持ちになる。「もう使い道ないわ」って、今でてきたリンゴのマークの会社に投資をして、
(笑)
また儲かっちゃう。上官のダンもフォレストガンプのことが大好きで、そこで年末に年越しをするんですよ。そのシーンが冬。
そんなところに冬があったんですね。
2人で一緒にバーみたいなところで年を越す。(バックに「蛍の光」が流れている)
そのシーンはうろ覚えでした。
全然覚えてない。観たのが4年前くらいかな。原作も読んだんですけどね。
フォレスト・ガンプが大好きだった彼女がベトナム反対の社会運動をして、フォレスト・ガンプをベトナム帰りの英雄として喋らせようとするんです。
映画ではマイクが故障してしゃべれないなかったっていう設定になっている。原作は「戦争なんか行くもんじゃない」って言ってしまうらしいです。
映画ではそのシーンが改変されているんですね。
マイクが急に故障して、しゃべってんのに全然伝わらない。
うまいことしましたね。
大人の事情。
彼女と別れて、彼女に呼ばれてラストに行く。
フォレスト・ガンプも中年くらいになってるのかな。バス停のところでおばさんと出会って「どう行くんですか?」って訊くんです。「バスに乗らんでもいけるよ」と言われる。
訪ねて行くと、彼女はちっちゃな男の子と暮らしているんです。男の子がテレビを観ていて、その横にフォレスト・ガンプが座ってね。後ろから見ると首の角度が一緒やった。
あー、はいはい。
最後がそのシーンですね。
マラソンを走っているシーンが印象に残っています。みんなが勝手についてくるのがおかしいですよね。
スマイルマークつけていたのかな? あれがちょうど70年代の象徴ですね。
ほんとに歴史を追っているんですね。
ウォーターゲート事件の描写がありましたよね。
そうそう、ウォーターゲートホテルにフォレストガンプが泊まっている時に「向かいのビルに泥棒が入ってるよ」ってフォレスト・ガンプが通報するんです。
面白いですよね。歴史の裏側では、こいつの仕業だったみたい。
全部フォレスト・ガンプが絡んでる。
中国とアメリカのピンポン外交っていうのがあって、卓球でね。卓球の選手としてフォレスト・ガンプが行くんです。なんでもできちゃう。
面白いですね。確かにエビとマラソンが。
ずーと、走っていますよね。ただ走りたかっただけでしょ。
みんなが勝手に勘違いして。
平和を主張しているんやみたいな。みんな勝手についていって、皆がついて行かなくなっても、まだ1人で走ってる。
荒野みたいなところで。
キネ娘さん「フォレスト・ガンプ」の監督って誰かわかる。
えー。
「ロ」から始まる
2文字目はなんですか
「バ」
ロバート。ふふふ。
ロバート・ゼメキス。何かぴんとこない?
超有名な?
「バ」ですよね。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985)」の監督。
知らなかった。
このロバート・ゼメキス監督が手がけた作品で「ボーラー・エクスプレス(2004)」っていうアニメがあってこれはまさしくクリスマス。
そうだ。まだ観てないです。
ちっちゃい頃に家族みんなで観に行ってクリスマスの時期でね。というのを覚えてるんだけど全く内容を覚えてなくて、今回あえて語るほどはないんだけど。
ゼメキス監督とトム・ハンクスは、よく組んでますよね。
「キャスト・アウェイ(2001)」ですよね。
「キャスト・アウェイ」も、クリスマスのシーンがあったん違うかなって。
結構、潜んでますよね、クリスマスって。
あれもずっと孤島に行っちゃうんで、多分1年間の話はそこであったはず。
どっかには入ってるかもしれません。

フォレスト・ガンプ/一期一会
監督:ロバート・ゼメキス。原作:ウィンストン・グルーム。アラバマ州グリーンボウ。フォレスト・ガンプ(トム・ハンクス)は普通の子供よりも知能指数が低い。 ただひとりジェニーと仲良くなる。 小学校でいじめの標的にされ逃げているうちに走れるようになる。 高校生になってフォレストは、俊足ぶりを見込まれ、1963年、アラバマ大学へ入学しフットボールチームに入る。 全米代表選手に選ばれ、ホワイトハウスでケネディ大統領に面会する。 ベトナム戦争が始まり、アメリカ陸軍に入隊。 アフリカ系アメリカ人バッバ・ブルー(ミケルティ・ウィリアムソン)と意気投合し親友となる。 軍の訓練は、命令されたことだけをこなせばよくフォレストは、優秀な兵士となる。 戦地でダン・テイラー中尉(ゲイリー・シニーズ)が指揮する小隊へ配属される。 小隊は、敵の待ち伏せに遭い、フォレストは尻に銃弾を受けつつも、戦友たちを助け出すが、バッバは死亡。 フォレストは勇敢な行為に対しジョンソン大統領から議会栄誉勲章を贈られる。 ブラックパンサー党で反戦活動を行なうジェニーと再会するがジェニーはフォレストの前から去っていく。 除隊後、フォレストは卓球で得た資金で「バッバ・ガンプ・シュリンプ」を設立し、エビ漁を始める。 設立後しばらくしてダンも加わり「バッバ・ガンプ・シュリンプ」は大会社へ成長する。 ある日、ジェニーと数年ぶりの再会、フォレストの愛にジェニーが応え幸せな日々を過ごす。 人生の落差を感じたジェニーは、黙って家を出ていく。 フォレストはジェニーにもらったナイキのスニーカーを履いてひたすら走りはじめる。 何往復もアメリカ横断を繰り返す姿に「平和を願って走る男」とアメリカ中の話題になる。 やがて、フォレストは疲れて走るのをやめるが、テレビでそれを知ったジェニーから、彼のもとへ手紙が届く。
なぜ「探偵はバーにいる」のか?
送り嬢さんの冬の映画は?
「探偵はバーにいる(2011)」ですね。
北海道ですね。
雪のイメージがあったのでそれで。
北海道はどこだったっけ?
すすきのです。観られたことありますか?
シリーズが3作ありましたよね。
ずっと地元の暴力団の人が出てくるよね。
そうなんです。なんて怖い街なんだっていう感じです。
面白いですよ。テーマが暴力団の抗争とか、殺人とか、結構重いんですけど。
松重さんやったかな?
そう、出てます。首をコキって鳴らす、ふふふ。
でもルパンみたいな感じですね、主人公が。探偵がちょっとお茶目な感じで、抜けてるんですけど、かっこいいところはかっこいい。助手を松田龍平が演じて。
松田龍平はすごく強いんですよ。めちゃくちゃ強いです。敵がみんなバット持ってても大丈夫みたいな。
1人でボコボコにできるんです。空手の師範代みたい。助教授か何かで、何をしてるかわからない人みたいな感じです。
探偵の助手では無いかもしれない。助けてはくれる。
結構見捨てたりもしますよね。
それが大泉洋と一緒に北海道で活躍する。
大泉洋はいつも最初に何かひどい目にあわされる。
雪に埋められたり、すすきののジャンプ台から裸で落とされるとか。かわいそうなんですよね。
漁船に乗せられている時も‥。
ありましたね。よく生きてるなあみたいなシーンが。
でも、ちゃんとしたミステリーですよ。原作がちゃんとあって、結末がしっかりしてて。(原作:東直己「バーにかかってきた電話」)
これは3作とも冬ですか季節は?
冬というか、北海道だから雪っていう感じもあるんです。積もってるということは冬なんですね。あのぽちゃっとした町がすごくいいですね。
「あのバーにいるから、なんかあったらここへ電話してきて」って。
あそこが事務所代わり。
事務所は持ってないんですか?
事務所はないかな。常にそのバーにいるんですよ。携帯がないから、そのバーに電話をしてくれって、バーの名刺を渡すんです。面白いです。

探偵はBARにいる
監督:橋本一。原作:東直己「バーにかかってきた電話」(シリーズ第2作目の映画化)。ススキノのバーに電話してきた近藤京子を名乗る女性から依頼があった。 調査の後、探偵(大泉洋)は、何者かに殺されそうになる。 しかも、近藤京子(街田しおん)はすでに死んでいた。 捜査中、探偵はクラブオーナーの沙織(小雪)と出会う。 彼女は殺された霧島の元妻であった。 その後の捜査で放火ビルは札幌の新興暴力団「花岡組」が地上げを掛けていたことが判明。 その新聞の記事には事件から約4日後に死体で発見された田口晃が主犯だった。 翌日、探偵は死んだ田口晃の両親の元を訪ねた。 田口の父親は鉱山事業が閉鎖して以来働かず、母親の僅かな収入源のみで家計は火の車だった。 息子の晃はそんな父を見かねて花岡組へ進んだ。 そして探偵は花岡組のファーム「則天道場」へと足を踏み入れると‥。
冬のシネマといえば「グ○○○○」
僕はもうあれしか思いつかなかった「グ」から始まる。
「グリンチ(2000)」?。
いいえ。ちょっとホラーチックなブラックコメディーっていうのか、ジャンルが難しい。クリスマスが舞台で。
「グレ」かな?
「バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985)」と撮影セットを流用してる。
クリスマスやったと思う。
プレゼントですもんね。
そうそう、まさにクリスマスです。主人公の男の子がね、プレゼントをもらうんです。それがとんでもない生き物やったっていう話です。
あー「グレムリン(1984)」ですか。ははは。
まさに、これ冬にうってつけじゃないですか?
あー、確かにクリスマスですかね。そっか。
気持ち悪いよね。
可愛いんですけどね。
中国かどっかで買ってくるんですよね。
中華街みたいなとこが確かあったはずで。中国ではなかったような。「グレムリン2 新・種・誕・生(1990)」でその中華街が取り壊されちゃうんで。
「水をやらないで」みたいな。
そうそう「夜中にご飯あげない。水をあげない。日光を浴びさせない」だったかな。そんな約束を破っちゃって。
増えちゃうんですね。
「あげると、どうなる」までちゃんと言ってくれないとね。
ホントですね。
増殖してね。
街のみんながパニックになるなんて。
キネ娘さんは観た?
観ました。ギズモでしたっけ?
そうそう、ギズモ。
冬のイメージなかったです。
まさしく冬やん、これ。
「2」が、とんでもなくふざけた映画やけど、監督のジョー・ダンテがやりたい放題。パロディの連続で。
「2」はどんなストーリーですか?
主人公が大人になって勤務先のビルで他のフロアやったかな、研究所があって、ギズモが材料として捕らわれていて、そこでたまたま主人公と運命の再会をするんやけど、またなんやらかんやらで増殖してビル内がパニックになるっていう話。
また増えちゃうんですね。
ジョー・ダンテ監督はオススメ。

グレムリン
監督:ジョー・ダンテ。発明家ランダル・ペルツァーは、チャイナタウンの骨董店で息子のクリスマスプレゼントを選んでいると、籠から歌が聞こえてきた。 中の生き物を気に入り、値段を聞くが、店主に「モグワイは売り物ではない」と断られる。 しかし店主の孫が、内緒でランダルにモグワイを売ってくれる。 息子のビリーにプレゼントする時に、ランダルは骨董店の少年と交わした「3つの約束」を説明する。 愛らしいモグワイにギズモと名づける。 しかし、偶然3つの約束は破られてしまい、その度に田舎町で不思議な事件が起こる。 その原因はギズモから分裂したグレムリンの群れによるものだった。
(対話月日:2021年11月30日)