映画好きな素人のおしゃべりに、お付き合いください。
皆様がひとつでも観たい映画が見つかれば嬉しいかぎりです。
「ジョー・ブラックをよろしく」 大企業家の豪奢な誕生日パーティ
監督 :マーティン・ブレスト(アラン・スミシー)
脚本 :ボー・ゴールドマン、ケヴィン・ウェイド、ロン・オズボーン、ジェフ・レノ
〈Story〉
ビル・パリッシュは一代で大企業を築き上げた。彼は夜毎、謎の声に悩まされている。
ビルの娘スーザン(クレア・フォーラニ)は青年(ブラッド・ピット)と出会い、一目惚れするも名も知らぬまま別れる。
青年は交通事故に遭い、その身体を乗っ取った死神は、ビル(アンソニー・ホプキンス)を指名し、人間界をガイドさせる。ビルはガイドをする間は生きられると聞き、条件をのむ。
青年が死神だと知らないスーザンは、違和感を覚えつつも、ジョーへの想いを募らせていく。
そして、ビルの会社の重役であるドリューは、ある企業との合併話を進めていた。
「ジョー・ブラックをよろしく(1998)」の事故のシーンを観た記憶があって、有名なシーンなのかなと思いました。
私はその前のヒロインのスーザンとブラピが別れて、交互に振り返るシーンは知っている。
日本のドラマでもよくありますね。
ああいう型を真似ているんですかね。
事故はそのすぐ後やもんね、初めて見たときは衝撃的。
すごい飛び方。
ブラピは死ぬんですか。
どこからお話したらいいんでしょ。最初に出てくるのがビル・パリッシュという経営者で、アンソニー・ホプキンス。夜な夜な幻聴に悩まされているシーンから始まる。
65歳の誕生日のパーティーを二人の娘が計画していて、次女がスーザン(クレア・フォーラニ)で研修医です。
彼女には婚約者がいて、父から
「ほんまに好きなんか? 恋って稲妻に打たれるようなもんや、お前からそれを感じない」
と言われる。
スーザンがカフェへ行くと、店内で青年(ブラッド・ピット)が電話で大きな声で妹と喋っている。それをスーザンがクスクス笑って、隣の席に座った青年と喋るようになる。そのときにスーザンが初めて好きかもって思うんです。店を出た時に、
「好きかもしれへん」
とお互いに言う。初対面やし、バイバイって離れていって2人とも振りかえりつつタイミングが合わないシーンになるんです。その後ブラピが事故に遭うまでが第1幕。
交差点で事故に遭う。
すごすぎて鳥肌がたちます。
ビルの方は幻聴がひどくなって、幻聴の相手と会話とかできちゃうようになる。
それは重症ですね。
原因がわからないまま続いて、あるとき心臓発作になって幻聴が初めて問いに答える。
「イエスだ。イエスだ」
と言う意味が、
「自分の死期が近いのか」
への答えで、相手が死神だと分る。
そして、亡くなった青年(ブラッド・ピット)の身体を借りて出てくる。
青年の姿をした死神は夕食のテーブルに来ると、他の人から名前を訊かれる。ビルが
「ジョー」
とだけ答えると、
「いや、もっとプロフィールがあるやろ」
って言われる。
咄嗟すぎたから。スーザンが来るとあの青年がいるんで、あーって感じになる。
夕食をしているときに、メイドさんが
「お客さんが来ましたよ。部屋に通しました」。
スーザンと再会しても、ジョーは分からない。あんなに分かり合ったのに。スーザンのフィアンセのドリューはビルの右腕で、ジョーをめっちゃ疑うんですよ。急に現れて誰なんや、ビジネスの邪魔になっちゃうって思う。
ジョーはスーザンとも上手くいきながら話が続いていく、というのが大まかなあらすじです。
死神は人間界を知りたい目的があって、ビルを案内役にしてずっとそばにいる。ビルは案内をしている間は自分の死期を延ばしてくれる契約をする。ジョーはいろんなところを見たくて、ビルと一緒に出社して、会議にまでついてくる。ジョーは会議が始まると、部屋の後ろで回転椅子でくるくる回っている。
愛らしい。
子供のような感じです。
役員がジョーをいじろうとしてね。会議室で
「何か欲しいものありますか? 紅茶とかどうですか?」
ってわざとらしく訊く。
「じゃあ、紅茶。サンドイッチにピーナッツバターを塗ってきて」
お菓子とかをめっちゃ食べている。
ジョーはピーナッツバターが好き。
アメリカのソウルフード。この映画の中では重要なアイテムになるんです。お屋敷の中をウロウロして厨房に来る。人間界の物を食べたことがなくて、
「それ何」
「ピーナッツバターです。召し上がりますか」
ってスプーンでもらうんです。それが人間の素晴らしさを象徴するアイテム。
ピーナッツバターが。
だと思うんですよ。アメリカ人が見たらよくわかるんだと思う。日本人が見るとあんまりね。
日本だと何なのか?
味噌とかですか。
高価じゃなくても、美味しいなというものですよね。
ピーナッツのくだりとかもあって、好奇心を持ってきているのがわかるようなキャラクター。
だからどこにでもついてきている。
平然といますもんね。
死神やから動じないし。
周りがあたふたする。
死神って聞くと、もっと物騒な存在かなと思っていたら、意外と親しみやすいですね。
今までの死神のイメージとは違うかな。これは言ってもいいのかな。死神は最後に涙を流すシーンがある。今までと違う死神の描き方。
殺そうとする死神じゃないんです。人間に興味を持っているのが面白くて。ブラピも演技が上手で、ジョーの時と前の青年の時の顔が全然違う。雰囲気が違うのがわかるのがすごいなぁ。
今回のお祝いというテーマを絡めて言うとビルの誕生日パーティーがクライマックスですよね。
お姉さんが中心になってずっと準備をしていたね。ビルがスーザンに愛情を注いでいるので、お姉さんはスーザンにコンプレックスを持っている。同じ娘でも愛情の順番ってあるんやね。最後はそれすら受け入れようとするお姉さんの心の広さがある。
能力が発動して周りを凍らせたり、山に逃げたりとか。
そうなったら妹が迎えにいかんとあかんからね。って「アナ雪」やないんやから。
物語の原型としては、マレビト(注1)ね。外からやってきて最後は帰っていく物語ね。人間界がどんな所かを知る。
類型としては、
「ET(1982)」っぽいし、「スーパーマン(1978)」っぽいかな。
マレビトってよくある型で最近のドラマの「ファーストペンギン!(2022)」だと、さびれた漁村にやってきた女性が問題を解決して最後に去っていく。マレビトは去らないといけないストーリー。
西部劇のガンマンみたい。
例えば「シェーン(1953)」ね。
ジョーが来たことで、ビルは幸せになるんですか?
大きな問題を解決する。
スーザンのフィアンセのドリューがビルの会社と別の会社との合併を進めているけど、ビルが反対している。ビルがジョーを会議に連れてくるし、一体どうしたんだ、会社の経営すらジョーに相談しているんじゃないかと疑って、策略を練るのがもう一つの筋。
ジョーの存在を利用して、他の会社と合併をさせる悪い奴ですね。
合併後に解体しちゃう計画ね。構図としては、スーザンとドリューとジョーの恋愛的な三角関係がベースにあって、ドリューが会社を潰そうとするところにジョーが現れるという構造ね。
もう一面は、スーザンから見たストーリーで、死神に恋をしてしまうお話ですね。
周りの人は死神って知ってるんですか?
知ってるのはビルだけで、正体を言えなくて、ジョー・ブラックと紹介する。スーザンとジョーが恋仲になるけれども、観客も最終的に結ばれないなって分かりつつ、物語が進む。そして恋愛感情は高まっていく。
最後まで知らないままですよ。
2人とも素直にビルに話すんです。スーザンが
「雷打たれたよ」
って言うし、ジョーも娘さんと恋したと言うと、ビルは
「それは本当の雷じゃない」
ってスーザンに。
「自分の正体をちゃんと言えるのか」
ってジョーに問う。
ジョーは迷う、スーザンは自分に恋しているのか。でも会話はコーヒーショップのときの話をするので、違うと感じる。
ジョーが去っていったら、ビルはどうなっちゃうんですか? ジョーが来たおかげで幸せな方向にいったらいいんですけど、きっと寿命も動くんじゃないかなって。
幸せにはなっていると思います。
感動的な終わり方です。でもこれは言えない。
最後の演出の話も好きです。
そこが一番の山場かな。
監督はマーティン・ブレストです。「ミッドナイト・ラン(1988)」の監督です。
「ビバリーヒルズ・コップ(1985)」、「セント・オブ・ウーマン/夢の香り(1993)」いいじゃないですか。作品は少ないけど有名。
なかなか見応えがあります。「素晴らしき哉、人生!(1954)」の現代版の感じもするね。天上の人が降りてきて、「素晴らしき哉」は死神じゃなくて天使ね。人間界のことを知ってどうなるか、という話なので類型としては似ているね。
観た気分になっちゃいました。
やっぱり最後を観てほしいですね。
ドリューがどうなるか。大抵こういう場合、罰が当たる。それが気になる。
いろいろなところにケリをつけてきれいに終わっているから、あーすっきりしたなと。
「ゴースト/ニューヨークの幻(1990)」みたいですね。
もう少し話が複層的でね、名作ですよね。
テーマが誕生日という「生」に対して死神がどんどん近づいてくる「死」とのアンビバレントな感じが面白い構図だなと思います。ビルからしたら誕生日が近づくことは、寿命が縮まって死へも近づいてくこと、複雑な気持ちだと思います。
どこか輪廻っぽいね。
死神が身体を得たらすごい勢いで乗り移っていく。自由意志って何なんだろうって思う。私は死神がスーザンに惚れるのは、スーザンに惚れていた青年の意志じゃないかって思うんです。
違う人の身体だと、そうじゃなかったかもしれない。面白い。確かにそうですよね。
パーティーの会場で
「ピーナッツバターはない?」
って訊いたり、高級なものより庶民じみたものが好きって言ったりも青年の嗜好。
確かに。面白い。
経済も知らなくて、お金に換算することを知らなかったら、本当に美味しいものは何かということかもしれないね。または、青年の身体を持ったからかもしれないな。アフォーダンスな感じ(物体からのサジェスチョン)かな。
誕生日は派手ですよ、ステージがあって楽団も入って、来客はヘリコプターで来る。
ホワイトハウスみたいな大きな芝生があって、その前も広い庭園で皆さんがディナーをしている。
「#Anything Goes」をビッグバンドで演奏していたり、最後は「#What a Wonderful World」。
「大統領も呼ぶ」
って言っていましたよね。
Eくん
年間 120本以上を劇場で鑑賞する豪傑。「ジュラシック・ワールド」とポール・バーホーヘン監督「ロボコップ(1987)」で映画に目覚める。期待の若者。
キネ娘さん
卒業論文のために映画の観客について研究したことも。ハートフルな作品からホラーまで守備範囲が広い。グレーテスト・シネマ・ウーマンである。
サポさん
「ボヘミアン・ラプソディ」は10回以上鑑賞。そして、「ドラゴン×マッハ!」もお気に入り。主に洋画とアジアアクション映画に照準を合わせて、今日もシネマを巡る。
検分役
映画と映画音楽マニア。所有サントラは2000タイトルまで数えたが、以後更新中。洋画は『ブルーベルベット』(86)を劇場で10回。邦画は『ひとくず』(19)を劇場で80回。好きな映画はとことん追う
夕暮係
小3の年に「黒ひげ大旋風(1968)」で、劇場デビュー。照明が消え、気分が悪くなり退場。初鑑賞は約3分。忘却名人の昔人。
検分役の音楽噺 ♪
『ジョー・ブラックをよろしく』のスコア(劇伴)で、特にクライマックスからラスト、約10分に及ぶ素晴らしいスコアを書いたトーマス・ニューマンは、作曲家一家ニューマン・ファミリーの一人です。
父のアルフレッド・ニューマンは幾つもの名作を残している大作曲家。
個人的には『西部開拓史』(62)のスコアがお気に入りですが、何といっても「20世紀FOXファンファーレ」は最も有名でしょう。
伯父のライオネル・ニューマンは主にスコアの指揮を担当。
20世紀FOX社の作品の多くの作品を手掛けています。
兄のデイヴィッド・ニューマンは、超大作はないもののホラーからコメディ、シリアスドラマ等ジャンルを問わず活躍。
最近ではスピルバーグの『ウエスト・サイド・ストーリー』のスコアを担当。
意外なところでよく耳にするのが、「スタートレック」シリーズのパロディ映画『ギャラクシークエスト』(99)のテーマ曲で、日テレ系の「エンタの神様」のテーマ曲として使用されているのには驚きました(笑)
従弟のランディ・ニューマンはやっぱり『トイ・ストーリー』シリーズが有名。
シンガーソングライターでもあり、主題歌「君はともだち」は自身が唄っていますね。
なお、『ジョー・ブラックをよろしく』のエンドクレジットに流れる、「虹の彼方に~この素晴らしき世界」を唄っているのは、ハワイの伝説的シンガー、イズラエル・カマカヴィヴォオレ。
97年に亡くなっていますが、このナンバーは特に人気があって、『小説家を見つけたら』(00)のエンディングでも使用されています。
体重300㎏を超える巨漢のシンガーでしたが、繊細なヴォーカルは亡くなった今でも多くの方に愛されています。
(注1)マレビト(稀人・客人):民俗学者折口信夫が他界から来臨する神の本質を定義した。「古代研究 国文学篇」で詳述。
門松や注連飾りで歳神様を迎えるのが正月であり、祭りの母型です。
「ブックスマート 卒業前夜のパーティー」 アリスとチルチルとミチルの化学反応。
監督:オリヴィア・ワイルド
脚本:エミリー・ハルパーン、サラ・ハスキンス、スザンナ・フォーゲル、ケイティ・シルバーマン
〈Story〉
親友であるモリーとエイミーは、高校生活最後の年を迎えた。生徒会長のモリーは勉強一筋の毎日、同性愛者のエイミーはスケーターガールのライアンに片想い中。
エイミーの恋を知るモリーは「卒業前に告白するべき」とアドバイスする。
卒業式前日、イェール大学に進学するモリーだったが、クラスメイトたちもまた名門大学への進学を決めていた。パーティー三昧だった彼らの名門大学への進学にショックを受ける。
エイミーと高校生活をエンジョイすると決めたモリーは、生徒会副会長・ニックが開催する卒業パーティーに参加することにする。
ところが、モリーとエイミーはニックのパーティー会場の場所を知らなかった。
これは、今時の映画やと思いました。
女の子が主人公でしかも片方はセクシャルマイノリティ。
そうそう同性愛の子で、それもオープンにしているね。
周りの人も認識をしてましたよね。
それも今風だし、この2人が友達同士です。主役の感じじゃないですよね。そこがいいんですね。
容姿も美女ではないのがいいですよ。
近所にいそうな女の子2人が学生時代を一緒に過ごしてきたのがわかるんですよ。2人だけの符牒やノリがある。ずっと勉強ばっかりしてきて、進学も決まっている。
でも、他のおちゃらけてる連中もいいところへ進学する。
それを知って、二人は勉強一本で来たので、それを取り戻そうって思う。卒業式の前日の設定ですよね。
いろんな人に会っちゃ
「あんたの進学先はどこ?」
って訊くのが面白かった。
友達が最後のパーティーをするのを知って、二人はそこへ行って楽しもうと思うけど、繋がる友達がいないので、場所がわからないから、そこから調べないといけない。これってね、物語の原型はメーテルリンクの「青い鳥」かなと思うんです。
童話の? どういうところが?
「青い鳥」もおばあさんに
「幸せの青い鳥を見つけてきてください」
って言われて、探しに行くんですよ。思い出の国とか、夢の国とか、未来の国へ行って、やっぱり違う、やっぱり違う。戻ってきたら自分のお家に青い鳥がいた。物語の骨格は一緒かな。だからこの二人も自分たちの不足を感じて、ないものが幸せだと思ってあっちに、こっちに探しに行き、でも違うなと思ってね。最初に行った会場はお金持ちで、船上でパーティーをするって船に乗せられると、誰も来てない。
あんな寂しいパーティーがあるのかと思いますね。
金持ちでもやっぱり違う。で、抜け出していろいろ探しだす。
脇役も結構いいですよね、キャラが立っていて。
校長先生が好き。
タクシーのアルバイトをしていたね。
担任の先生も良かった。
黒人のあの人いいキャラしていた。
「青い鳥」やと思っていると「不思議の国のアリス」やったりする。変な薬を飲まされていたね。
人形(CG)になっていましたね。パーティーとドラッグが絶対出てきますね。
本当にアメリカの学生ってあんな感じですかね。
どうなんやろ、ドラッグは身近にあるんでしょうね。避けて通るのが難しいのかも。
クラスメイトにいろんな人種の人がいて、黒人はいるし、アジア系の人もいる。イケメンとか美女は少ないのが、今どきの配慮かなと思いました。
今の映画ではほとんどそうですよね。
「スパイダーマン:スパイダーバース(2018)」とかそんな感じですね。
トランスジェンダーかと思った人が同性愛者だったり、それを周りの人が何とも思っていないのがすごい。
最初にあまり乗り気じゃなかったけれど、「(同性愛の)相手を探せれるよ」って乗せられる。
想い人もいましたよね。
実はその子は同性愛者ではなくて失恋してしまう。
ダブルで失恋していました。
モリー役の子(ビーニー・フェルドスタイン)がジョナ・ヒルの妹やって。
あー顔が一緒や。
ジョナ・ヒルは「ウルフ・オブ・ウォールストリート(2014)」の太っちょの憎めない役。
確かに目とかそっくり。ビーニー・フェルドスタインは女の人と婚約していました。
ハリウッドは堂々としていますよね。
日本より進んでいるんですかね。
進んでいるでしょう。でも宗教観が州によって違う。トランプのトランスジェンダー排除が支持を失ったりね。
エイミーの両親がエイミーとモリーが付き合っていると勘違いして、ご馳走を作っていたり。
冒頭のシーンを観た時にロードムービーかと思って。そう思ったのは二人で車の周りで踊っていて。
不思議な二人だけがわかるノリがある。
この車でロードムービーが始まるのかと。
旅立ちそうな車ですよね。
物語としてはそこが一つの儀式になっているのかな。
校長先生にタクシーに乗せてもらったり、ピザ屋の兄ちゃんに車で連れて行けって、
「お前たちこんなことしたら危ないじゃないか」
って言って、山の中に連れていかれて、やたらこいつ詳しいなと思ったら犯罪者やった。あの人の身柄確保を引き換えに釈放になりましたよね。
エイミーが投獄されるとまで思わなかった。
大規模にドラッグをやっているパーティーだから捕まるだろうな。しかも薬物検査で絶対に反応でます。
冴えないキャラクターだった子が最後に打ち解けた感があって、終わりが気持ち良かった。
最後の卒業式ね。
大人になっていく話やね。
みんなのことを誤解していた。
やっぱり子供ならでは、他人が羨ましく見える偏見とか固定観念が抜けていく。最後は
「警察の目をそらすから、みんな逃げて」
って言いながら自分が捕まる。
エイミーは休学してどっか行くんでした。
アフリカに行く予定。
モリーに黙っていたんですよね。
最初からそういうつもりだったの?
普通に行くのは伝えていたけど、期間が長い、お休みの間だけ行くのかなって思ったら1年間行くと。
「ブックスマート」は、wikiで調べると、学識が高い教育を受けているが、常識が欠けていることを意味する。
頭でっかちで勉強はできても世間を知らない。
その二人が学習をする1日。
ガリ勉キャラと言っておきながら、あんだけはしゃいでいるのはアメリカ人ならではって感じ。
そうですよね。
パーティー会場に着いたときに2人とも先生にドレスを借りて、お互いにめちゃめちゃ褒め合うところ。
最初に出発するときもね、くそダサいのに、お互い「いいじゃん」って言い合うのがかわいらしくて。
あれってほんまに褒めていたんですかね。ふざけているのかなって。
本当に本気でやってそう。
出発の謎のダンスと一緒ですね。
褒め方の言葉が荒いね。他にも所々荒っぽいね。友達が自分のことを卑下したとき、
「自分で自分の事を悪く言うような人はボコボコにするぞ」
って、助けたいのか、どうしたいのか。
青春って感じです。
生徒会長って、ルース・ベイダー・ギンズバーグ(注2)やミシェル・オバマに憧れていて、典型的なとこをついてくる。女性の最年少最高裁判事を目指していますとか。言葉が悪いですけど、リベラルに女性の輝かしい活躍をちゃんとできる子をコテコテに設定していた。
意識高い系ですね。
勉強ができてすごく頭がいいのに考え方がすごくシンプル。
パーティーにとりあえず行こうという感覚はそうですよね。
コネクションの取り方も面白いです。自分を好きな男をとりあえず呼ぶとか。連絡をとって会場の住所を聞くとか強引なところがあって。
「ブックスマート」やろね。中身が子供。
そうですよね。
監督のオリヴィア・ワイルドが俳優やって、見終わってから分かったんです。
女の人ですよね。「ビバリーヒルズ・コップ(1985)」を参考にした映画。
新作「ドント・ウォーリー・ダーリン」では、フローレンス・ピューを起用。
今回の成功で製作費が上がったんやね。
チルチルとミチルは冒険をすることで外部要素と出会い、固定観念の殻が破れて、幸せの概念が変化する。少年少女よ、旅をせよ、なのだ。車の周りで踊った不思議なダンスはやはり冒険のための儀式だったのかも。
性差別の撤廃を求めるなど、リベラル派判事の代表的存在。
(対話月日:2023年1月26日)